緊急放流により、二瀬ダムと川端ダムの川沿いの人はとても危険だ―逃げる必要がある

荒川水系の二瀬ダム(埼玉県)と利根川水系の川俣ダム(栃木県)の二つのダムについて、午後10時から緊急放流を行うらしい。緊急放流はダムの容量いっぱいに水が溜まり、これ以上貯める余力がなくなった際、川からの流入量とダムによる放流量を等しくして、ダムの水を一気に流す方法だ。これはとても危険なダム操作で、「異常洪水時防災操作」と呼ばれる。ダムが流す放流量は平常時は少ないが、ダムが満杯に近づきしかも流入量…

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台風21号による、今も手付かずな昭和山の倒木群

台風21号の被害に興味ありませんか。大阪市内の大正区にある千島公園の昭和山は甚大な被害をこうむり、多くの大木が倒れたり木の枝を折ったりして無残な姿を、当時のままさらしています。千島公園内はおおむね「危険につき立ち入り禁止」の黄色いテープが張られていますが、たるんでいたり、踏みつけられたりして、立ち入ることができます。公園内にある体育館や運動場は普通通り使用されています。    今もって手付…

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野村ダム、荒瀬水位観測所での速度と氾濫原因についての推測

 通常、河川の流量とか速度とか気にしないが、いったい川の流れはどれくらいの速さなのだろうか。思い付きでは、秒速1m以下だろう。流れのはやい瀬などでは1m/秒ぐらいかもしれない。  そういうわけで、今回浸水被害を出した野村ダム下流の肱川の荒瀬水位観測所の公開データーをもとに、速度を出してみた。観測所は野村ダムの下流約2kmにあり、そこでの時間ごとの水位と川の断面積及び速度から流量を算出、それ…

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標高112mラインが野村地域の浸水地域ではないだろうか

野村ダムによる浸水被害の調査は進んでいるのだろうか。また、どのようにして浸水したのか、そのメカニズムは解明されつつあるのだろうか。大阪にいてほとんど情報が伝わってこないが、まず被害状況を丹念に調べることが重要だ。しかし、ネット上ではほとんど情報が出てこない。  それで、ほとんど資料がないままでわずかに公表されている資料で浸水地域と簡単な浸水メカニズムを推定した。その資料は愛媛大学が被災後…

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野村ダムの大放流によってどういう現象が起きたのか、考えてみた

 野村ダムと鹿野川ダムが急激に放流量を増大した。川において急激に水量が増大するとはどういう現象なのだろうか。水位と放流量、川幅から水の速度を算出し、野村ダムの大放流によって、どういう現象が起きたか、考えてみた。  ペイントを使って、下のような計算と図を描いた。 図1 図2(続き)  つまり、6:20の大放流によって、それまでの放流量が330m³/秒が1450…

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野村町浸水範囲と沖積層が酷似

野村町の浸水被害地域がどういう範囲なのかをweb上で検索して調べたが、ほとんど検索には出てこず、唯一、四国整備局発行のPDF「第1回 野村ダム・鹿野川ダムの操作に関わる情報提供等に関する検証等の場」(7月19日)に浸水地域が出てくる。それが下図だ。  一方で、このあたりの地質を調べていたら、野村町中心部はほとんどが段丘層と沖積層からできている。 出典は地質図NAVIより。2…

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野村ダム放流説明会に、住民怒声浴びせる

 朝日新聞によると、愛媛県・野村ダムでの放流により、5人の犠牲者と多くの家屋で浸水被害を出した野村町で、9日住民説明会が開かれた。会場の700席はほぼ満席。説明会には国交省野村ダム管理所の所長と、西予市の市長が出席しあいさつしたが、会場では怒声が飛んだという。  ダム所長は「桁違いで想像を絶する規模だった」と述べ、緊急放流は避けれなかったとした。放流の危険性が十分伝わらなかったと指摘されて…

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私が推測する真備町小田川・高馬川の堤防決壊メカニズム

真備町の小田川と高馬川の堤防決壊のメカニズムを個人的に考えてみた。この破堤の原因はバックウオーター現象によると言われているが、どういうメカニズムなのか、公開されている写真などをもとに推測してみた。  箇条書きでまとめた。 1、高馬川は天井川であり、昔から氾濫を繰り返してきたと思う。そのために天井川になったのだと思う。今は小田川に70度位で合流している。しかし、これは改修によりそうな…

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被災地真備町を歩くー小田川・高馬川決壊現場ー

8月5日の日曜日に車で大阪から倉敷市真備地区へ行ってきた。小田川合流点を見た後、決壊した現場をみようと、井原鉄道の吉備真備駅の駅前に車を置いて徒歩で現場へ向かった。車で移動中、ボランティアの人たちが昼頃、テント張りの会場に向かって歩いている姿をよく見かけた(下の写真)。ここで食事したり休息しているのだろうか。    駅前には被災した軽自動車が放置されていた。 駅舎は高架で、…

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被災地真備町を歩く -小田川合流点付近- 

 昨日の日曜日、西日本豪雨の被災地である岡山県倉敷市の真備地区へ大阪から車で見に行ってきた。3時間ほどの短時間の滞在だったが、ある程度の雰囲気がわかってよかった。  まず向かったのは、小田川と高梨川の合流点付近(地形図参照)。 これらの川がどれくらいの規模で、どういう形状をし、どのように合流しているのか知りたかったのだ。高梨川は巨大な川で、大阪で見る一番大きな河川である淀川と…

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西予市の防災マップでは野村町の洪水や浸水は想定していなかった

愛媛県西予市が作った最新の防災マップには肱川が氾濫した場合の洪水浸水想定区域には、野村町周辺が含まれていなかった。氾濫により浸水を予定していたのは、宇和町中心部の肱川沿いばかりだった。つまり、今回浸水し、大きな被害を出した地区は、防災マップでは、肱川による氾濫や浸水を想定していなかったのだ。これは、野村ダムがすぐそばにあり、ダムが洪水を防いでくれるものと思い込んでいたのだろう。  しかし…

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ダムの高低差が濁流の運動エネルギーを増大させ、全くダムの役割を果たせなかった

1、肱川氾濫の疑問  肱川の氾濫による検証も少しづつ進んでいるようだが、専門家ばかりに任せていると、やはり、今回のダムの異常放流を正当化する論理に落ち着く可能性がある。そうすれば、整備局が言うように、ダムがなければ、被害はもっと拡大したということになりかねない。これだけの人的・物的被害が出ているにも関わらず、最小限の被害という言葉を受け入れられるだろうか。  こういう視点から、些細なこ…

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広島、風化花崗岩で土石流が起きやすい環境のようだ

今回の豪雨では河川の氾濫と共に、土砂災害も目立った。特に広島県では2014年の土砂災害に匹敵するような甚大な被害をもたらした。広島県の場合、ニュースで知る限りにおいては、土石流による家屋の損壊や流出、それに伴う人的被害が大きかったようだ。今日の新聞でも、被害地域は土砂災害警戒区域等に指定されているところが7割弱と書かれていた。そのことは今回のような豪雨であれば、場所を変えて、そうした災害警戒地…

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肱川洪水、訓練すればダム操作も対応できたかも

 野村ダムのデータをホームページ(四国地方整備局野村ダム管理所)から覗いてみよう(図1)。ダムの最も高いところである天端標高はEL173.0m、洪水時最高水位(サーチャージ水位:言葉の意味は下部参考を参照して下さい)が170.2m、平常時最高水位が169.4m、洪水時貯留準備水位が166.2m、最低水位(堆砂面)が148.0mである。また、総貯水容量は1600万m³、堆砂容量330万m…

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野村町住民は怒っている(動画集)

愛媛県西予市野村町の住民は怒っている。急なダムの放流に命からがらに逃げ出さざるえない状況に、ダム放流者に対して、ダム設置者に対して、西予市に対して。  動画は野村ダムの放流のすさまじさを告発している。誰のためのダムなのだ。住民を恐怖のどん底に陥れた氾濫が、ある面、人の操作によって行われたことに、やり場のない怒りが感じられる。  西予市野村町関係の動画・画像を集めた。 …

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愛媛県西予市野村ダムの悪夢

 愛媛県西予市や大洲市で起こった今回の西日本豪雨による水害は、岡山県倉敷市の真備町の水害とは少し様相が違っている。愛媛県のこれらの地域で起こったことは、川が氾濫し、濁流が民家に押し寄せ、逃げ遅れた人が流されたり、床上浸水して多くの被害を被ったことは同じだ。ただその原因が大きく違っている。真備町では河川の氾濫・決壊が原因だが、大洲市や西予市で起こったことは、ダムの放流により川の氾濫が起こり、町が水…

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堤防決壊で住民は避難しようとしたのか、しなかったのか、なぜ多くの犠牲者が出たのか

今回の倉敷市真備町での河川決壊での死因はほとんどが水死だという。自宅での水位上昇による逃げ場を失っての水死だと思われるが、時間やその詳細な死因分析が必要だろう。というのも小田川の越水や決壊時間と住民が避難するタイミングとの、その時間的な関係が重要だと思われるからだ。一秒一刻の時間的な余裕がなかったわけでなく、余裕があっても避難せずに、いつの間にか道路の水が増え逃げることができず、水が2階近くま…

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真備町の水害を検証してみたが、避難できない状態だった

今もって次から次に災害のひどさが報道されている中で、どういう状況でこうした巨大災害が発生したか、それは不可避なものなのか、あるいは何かしら別の行動をとることができたのか、もしそうなら違った状況が生まれたのか、私なりに倉敷市の真備町の水害について検証してみた。  まず、被災地よりやや上流にあって小田川下流域の水位や流量、時間雨量を観測し、管理しているところが、国交省岡山河川事務所八掛観測所…

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熊本地震から1ヶ月を迎えての個人的感想

 4月14日に熊本で地震が発生してまる1ヶ月が過ぎるという。まだ余震が頻繁に起きていることが、Yahooニュースの速報でよく見かける。現地では家に帰ろうにも、帰れない人たちが避難所や車やテントで過ごし、余震が収まるのを待っているという。具体的にどういう対策が行われているのか、大阪にいてはよくわからない。一刻も早く、余震が収まり、日常の生活に戻ることを祈るばかりだ。  広島土砂災害を見に行っ…

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鬼怒川決壊、土砂掘削の影響を検証する

災害はいつどこで起きるかもしれない。去年は鬼怒川が氾濫し、死亡2名、重症2名、ヘリ救助者1343人、地上部隊による救助者数2919名、全壊・半壊合わせて3700棟余りの被害を出した(国土交通省調べ)。これの決壊原因については、三坂地区では、豪雨による越水による破堤と結論づけられている。その破堤のシステムなども、ネット上で公開されている。しかし、よくよく見ていくと、なぜ、越水は7か所ほどで見られ…

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鬼怒川決壊、1か月半後の専門家の指摘(朝日新聞より)

今日の朝日新聞オピニオンページの私の視点欄に、河川工学が専門の京都大学名誉教授今本氏の鬼怒川の河川氾濫について、専門家から見た簡単な感想が寄せられていた。この感想文の概要を紹介したい。  文章では、今回の氾濫から、4つほどの問題点を指摘している。  その一つは、ダムの治水には限界があるということ。鬼怒川には4つのダムがあったが、ダムより下流15キロ地点では、水位を2.7m低下させたが…

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大阪市の災害情報は「おおさか防災ネット」へ

私は大阪市に住んでいるが、川が氾濫したり、台風で避難したり、地震が起きた場合、何を見てどう判断すればいいのだろうと思う。それで、大阪市のホームページで災害の際の避難マップ等を調べた。これまで、大阪市の防災ページなど見たこともなかったが、案外しっかりしたいい防災マップができていた。それで大阪市の防災情報を紹介したい。  まず、ネット上で大阪市のホームページへアクセスする。トップページの左側…

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鬼怒川決壊、下館河川事務所の一連の対応を検証する(個人的な感想)

鬼怒川の決壊の原因はどこにあるのだろう。多分人為的な面ではなくて、自然の猛威がその原因の主要なものだろう。でも、具体的にどのような猛威だったのか、それを少しでも分析すれば、同じような災害に別の手立ても出てくるかもしれない。  そういうわけで、公表されているデーターを基に、もう一度水位の上昇と降雨量、それと鬼怒川堤防との関係を見てみたい。 常総市本町にある水海道の水位計のグラフから見…

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鬼怒川決壊、水海道水位観測所のデータを下館河川事務所はどう認識したのか

茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊は、ひとたび堤防が決壊すれば甚大な被害を及ぼすことを目の当たりに見せてくれた。今回の災害は、帯状に連なった積乱雲が長時間、次から次に発生し同じ場所にとどまったことによる豪雨が、最大の要因だろう。そして、二つ目が、常総市の避難勧告が遅かったことなども、人的被害を拡大させたのかもしない。    こうした災害は地球規模の温暖化により、どの地域で起こってもおかしくなくな…

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広島土砂災害、僕のつれづれ

広島土砂災害から20日で1年が経過したらしい。大阪にいるし、今は地質関係の仕事とも離れているので,関心は薄れたが、それでも去年現地を歩いて、その凄まじい土砂災害の様子を見て、どうすることもできない自然の力に圧倒されたものだ。僕が歩いたのは1か月か1か月半後だったが、それでもまだ半倒壊した家屋がいたるところで目につき、丁度家を重機で解体している現場が何か所かあった。県営住宅のひどさは口で言い表す…

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国土交通省を縮小・改編してはどうなのか

僕は土木関係の仕事をしているが、その関係かどうかしらないが、個人的に国土交通省と言う組織が嫌いだ。民間企業の人間は、役人には頭が上がらない。なぜなら、その役所から仕事を貰っているからだ。また、下っ端の労働者は、役人に口も聞いてもらえないし、そばにも近づけない。なぜなら、役人は、資格のある人間か直接の担当者しか、話をしないから。  そういうことを念頭において、僕は国土交通省の縮小、改編を提…

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僕が見た広島土砂災害ーその5(原因と問題点)

今日は体育の日で休日だが、台風19号が接近しており、大阪は雨風混じりの悪天候だ。窓を通して、台風の強い風音が響いてくる。私の住んでいる街は、臨海部の山のない地域なので、土砂災害の心配はない。でも、広島の被災地域はとても危険だと思う。  広島土砂災害の原因と問題点を、科学的根拠には基づいていないけれど、現地を見た僕の感性から述べたいと思う。  土砂災害が起きた直接の原因は、明らかに20…

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土石流って何なのか考えてみる

僕は土石流と言うものが想像できなかった。広島へ行ってやっとその恐ろしさが実感できたかもしれない。でもきちっと想像できたかどうか心もとない。土石流とはどのようなものか考えてみた。  1、まず山が集中豪雨により地盤が緩み始める。 2、谷筋に面した山肌で1箇所、表層崩壊が起きる。その崩壊はやや大きめで、土砂の足元部分が崩れ落ちる。 3、崩れた土砂は谷筋の地表面を流れる。その土砂は…

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僕が見た広島土砂災害ーその4(八木3丁目近辺)

歩いている途中に石段のあるやや大きい、古びた神社が目に付いた。落ち着いた境内で、そこで個人的なお願い事をして坂道を下ると、そこには水害の被災現場が広がっていた。山を見上げると、大きな崖崩れが見に飛び込んできた。近づいてそれを見ると、それは大きな表層崩壊だったが、運良く民家の手前で土砂がとどまっていた。 土石流が発生した谷筋は、50mほど隣の別の谷筋だった。 ここの被災現場の特徴は、…

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僕が見た広島土砂災害ーその3(県営住宅東側)

県営住宅のすぐ東側の谷筋でも、土石流が発生し、家屋が流出したようだ(下記写真)。 その上流は砂防堰堤が有り、堆積した土砂を切り刻むように細い川筋が下流に伸びている(下記)。しかし、僕は大事なことを忘れ去ってしまった。というのも、この現場を見ている途中に、役所らしい7~8人の集団が現れたのだ。それで、そそくさと現場を立ち去ったのだ。役所の人に、「あなたはここで何をしているのですか」と言われ…

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