巨額の税金を使うダムは河川の氾濫に役だっているのか

 台風19号がもたらした豪雨により中部から関東・東北での河川の氾濫が目を引いた。長野県の千曲川や神奈川県の多摩川、それに福島・宮城県を流れる阿武隈川など1級河川と呼ばれる国が管理する大きな河川で氾濫している。その他にも県管理の小河川も氾濫している。それらの河川では多分、調べてはいないが、その上流にはダムばあるのではないだろうか。というのは、日本の河川でダムのない河川を探すのは困難だからだ。例えば、最後の清流といわれる四国の四万十川はダムがないかもしれない。しかし、それ以外でダムのない川を探すのは難しい。大阪近辺では淀川は宇治に天ケ瀬ダムがあるし、猪名川には一庫ダム、武庫川にもダムがある。ただ、大和川はダムがなさそうだ。


 ダムは何のために作るのかと言えば、水源としてそこから上水道をとる役目があるし、洪水調節機能も持たせている。しかし、これだけ河川が氾濫し洪水が起きると、本当にダムと言うのは、洪水を調節する役目を担っているのかと疑問に感じる。

 ダムはいろいろな面で負の側面を持つ。まず山を崩し、谷筋に巨大なコンクリートを流しこむ。その量は半端ではない。川をせき止めることで、水の流れが悪くなり、これまで清流だったところが、大きな淀んだ湖になり、生態系が変わる。大きな湖は、付近の山地に地滑りなどを引き起こしやすい。それは水位が高くなるからだ。下流ではいつも同じ量の水が流れ、それもこれまでのように多くは流れなくて、量が減少する。その結果、生態系も変化し、川はいつも濁ったようになる。川としてのダイナミックさ、美しさが失われる。魚もダムがあれば、それより上流へは登れない。川に豊かさが失われ、単なる排水の流路でしかなくなってくる。その上、ダム一基造るのに、数千億円という税金と多くの労力や時間が費やされる。そしてその結果が生態系の破壊や豪雨の時の河川氾濫の抑止力の無さだ。

 なぜ、ダムに氾濫の抑止力がないのか。個人的に思いつくのは、ダムには貯水能力があって、河川による流入量が増えれば、貯水量が増える。しかし、それに応じて放流量を増やさないので、徐々に満杯になるのだ。ある一定程度で、雨の流入量が止まればダムの機能は役立っている。しかし、長時間続く豪雨の場合、貯水量が満杯に近づいても、流入量と同じ量を流せないのだ。流すときはそれは緊急放流と言って、下流の住民に前もって知らせなければならない。従って、ダムが満杯に近づけば、ダムがない時より、その河川はとても危険になるのだ。

 緊急放流によってダムの水を流す場合、それは流入量と同じ量の水を流す。それは通常の流れとは違って、それの5倍や10倍になる。しかも、ダムという高い位置から水を流すので位置エネルギーが大きくなり、それが運動エネルギーに変換されるので、水の速度が増すのだ。つまり一挙に流すので、その流れは速く、量が多いので、川の曲がり角や川幅が狭いところでは、氾濫しやすくなる。しかも雨による流入量が変わらなければ、いつまでたっても速度は速く、放流量が多くなる。

 ダムというのは素人目に考えれば、貯留量が満杯になれば、それが無い方が洪水被害が少なくて済むというものだ。ゼネコンのためにダムを造るのではなく、住民のためになる治水工事をしなければならない。本当にダムが河川の氾濫に役立っているのか、いないのか。お金を使う国土交通省の言い分を脇に置いておいて、第3者による専門委員会による検討が必要なのではいだろうか。個人的にはダムはできるだけ作らない方がいいと思う。自然の遊水池を設けるなど、自然の摂理をもっと考えなければならないだろう。
 

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