愛媛県・鹿野川ダムの緊急放流、大洲市民が国を提訴へ

ダムの放流により、下流域が洪水により大規模な被害が出た愛媛県の大洲市の住民5人が、ダムを管理する国を相手取り、損害賠償の訴訟を年内にも起こすことを決めたと言う(朝日新聞(10/16)朝刊)。  私もこの地域の地質調査の仕事に携わったことがあり、土地勘が少しあり、以前にダム放流について個人的な考えをこのブログで書いてきた。私の考えは、基本的に政府や官庁のやり方には疑問を呈して、それへの回答か…

続きを読む

巨額の税金を使うダムは河川の氾濫に役だっているのか

 台風19号がもたらした豪雨により中部から関東・東北での河川の氾濫が目を引いた。長野県の千曲川や神奈川県の多摩川、それに福島・宮城県を流れる阿武隈川など1級河川と呼ばれる国が管理する大きな河川で氾濫している。その他にも県管理の小河川も氾濫している。それらの河川では多分、調べてはいないが、その上流にはダムばあるのではないだろうか。というのは、日本の河川でダムのない河川を探すのは困難だからだ。例えば…

続きを読む

緊急放流により、二瀬ダムと川端ダムの川沿いの人はとても危険だ―逃げる必要がある

荒川水系の二瀬ダム(埼玉県)と利根川水系の川俣ダム(栃木県)の二つのダムについて、午後10時から緊急放流を行うらしい。緊急放流はダムの容量いっぱいに水が溜まり、これ以上貯める余力がなくなった際、川からの流入量とダムによる放流量を等しくして、ダムの水を一気に流す方法だ。これはとても危険なダム操作で、「異常洪水時防災操作」と呼ばれる。ダムが流す放流量は平常時は少ないが、ダムが満杯に近づきしかも流入量…

続きを読む

台風21号大丈夫か、野村・鹿野川ダム、その役割を十分機能させよ

 台風21号が近づいている。愛媛県肱川の野村ダムと鹿野川ダムの準備は大丈夫なのだろうか。7月の洪水ではダムに入る水の量と出す量を同じにする「異常洪水時防災操作」という難しい概念を持ち出して、これまで経験のないような大量のダムの水を放流した。多分、これは自然の水の流れでは作りえないような、水の量と勢いではなかったかと思う。その根拠は明白でないが、ダムのない上流部では洪水が起きなくて、ダム下流部で洪…

続きを読む

野村ダムの大放流によってどういう現象が起きたのか、考えてみた

 野村ダムと鹿野川ダムが急激に放流量を増大した。川において急激に水量が増大するとはどういう現象なのだろうか。水位と放流量、川幅から水の速度を算出し、野村ダムの大放流によって、どういう現象が起きたか、考えてみた。  ペイントを使って、下のような計算と図を描いた。 図1 図2(続き)  つまり、6:20の大放流によって、それまでの放流量が330m³/秒が1450…

続きを読む

肱川洪水、訓練すればダム操作も対応できたかも

 野村ダムのデータをホームページ(四国地方整備局野村ダム管理所)から覗いてみよう(図1)。ダムの最も高いところである天端標高はEL173.0m、洪水時最高水位(サーチャージ水位:言葉の意味は下部参考を参照して下さい)が170.2m、平常時最高水位が169.4m、洪水時貯留準備水位が166.2m、最低水位(堆砂面)が148.0mである。また、総貯水容量は1600万m³、堆砂容量330万m…

続きを読む

野村ダム、急激な大放流と貯水率に問題があったのではないか

野村ダムと鹿野川ダムの放流が適切だったのかどうか、石井国交大臣も検証すると約束したらしいが、これまでの水害の裁判の事例では、住民の請求は「雨量の増加は予見できない」などと退けられてきたらしい。しかし、今回の場合、野村町だけで5人が亡くなり、家屋の被害も大きい。その上、下流の鹿野川ダムが同様のダム操作により、大洲市全体が水没した。2つのダム操作が下流域に大規模な水害をもたらした。こうした人が絡ん…

続きを読む

野村町住民は怒っている(動画集)

愛媛県西予市野村町の住民は怒っている。急なダムの放流に命からがらに逃げ出さざるえない状況に、ダム放流者に対して、ダム設置者に対して、西予市に対して。  動画は野村ダムの放流のすさまじさを告発している。誰のためのダムなのだ。住民を恐怖のどん底に陥れた氾濫が、ある面、人の操作によって行われたことに、やり場のない怒りが感じられる。  西予市野村町関係の動画・画像を集めた。 …

続きを読む

愛媛県西予市野村ダムの悪夢

 愛媛県西予市や大洲市で起こった今回の西日本豪雨による水害は、岡山県倉敷市の真備町の水害とは少し様相が違っている。愛媛県のこれらの地域で起こったことは、川が氾濫し、濁流が民家に押し寄せ、逃げ遅れた人が流されたり、床上浸水して多くの被害を被ったことは同じだ。ただその原因が大きく違っている。真備町では河川の氾濫・決壊が原因だが、大洲市や西予市で起こったことは、ダムの放流により川の氾濫が起こり、町が水…

続きを読む

和歌山県有田川中流のダムを行く。ダム湖の濁りが河口まで引きずる?

おとといの土曜日(3月10日)、和歌山県・有田川に沿って二川ダムまで大阪からドライブした。目的はダムを見に行くことだったが、音楽を聴くのも一つの楽しみなのだ。音楽のことは別のページに譲るとして、ここでは道中に感じたことを簡単に記しておきたい。  大阪から有田川まで遠かった。一般道の湾岸線を通って、関空まで行き、そのあと新開通の国道26号線で和歌山市内に入った。そこから有田までが案外遠かっ…

続きを読む

兵庫県・川西市の一庫(ひとくら)ダムを歩く

 このダムは大阪都心部から最も近くて最も大きなダムだろう。北摂地域へ行くとき車で何度か横を素通りしたことがあるが、ダムそのものを見に行くのは初めてだ。2万5千分の一の地形図を頼りに、阪急宝塚線に乗り川西池田駅で乗り換えて、能勢電鉄山下駅で下車した。駅前の市街地を西方向に進んで国道173号線に合流、そこから国道沿いに進み、一庫大路次川出会いで川沿いに進むと一庫ダムが見えてくる。  この川の流れは…

続きを読む

建設中ダムのH28年度事業費2085億円、総事業費4兆5355億円

去年働いていた会社では、3か所ダムの地質調査があった。私はそれらにボーリング工として一部業務に携わった。それらのダムがどういう目的で建設されるか、そいうことは現場の人間には知らされない。ダムが建設される目的を知るのは、そこの地域住民と事業者だけなのだ。  だが、ダムを一つ作るにはそこに通じる道路を新設する必要がある。また、ダム工事そのものも巨大だ。ダムには多くの国費が投入される。そうする…

続きを読む

大阪・茨木の安威川ダム建設現場を見る(建設費1314億円)

 大阪茨木市の安威川ダムが徐々にその姿を現そうとしている。このダムは昭和40年半ばごろ、下流で起きた洪水をきっかけに話が持ちあがり、水道水の供給と治水とを合わせて多目的ダムとして計画されたようだ。その後水需要が見込めないことから水道目的は除外され、今は治水ダムとして建設されている。建設費用は平成22年度資料で1314億円、その時点で平成30年度完成予定である(なお、平成22年度末の予算の執行率…

続きを読む

石木ダム問題への個人的見解ーもう中止するべき時だ

 石木ダム問題ブックレットを読み、家にあった長崎地方の20万分の一の地形図を見た(図ー1)。佐世保市や大村湾など目について、その隣の方に細長く川沿いに続く平坦地が白く塗られていた。そこが川棚川(かわたながわ)でありその支流に沿って石木や川原、岩屋などの地名が目に入った。川棚川というのは2級河川であり、そこに流れ込む石木川にダムを計画していることが石木ダム問題だ(図1及び図2参照)。    図…

続きを読む

石木ダム問題ブックレット編「ホタルの里を押しつぶすダムは要らない」(花伝社,2015)を読んで

 ダム協会の2016年データによれば、今現在新設中のダムは87か所に及んでいる。この数字は日本のあちこちでダム建設が進んでいる現状を示している。しかし、ダムはその時間や建設費用、住民の立ち退きや財産の処分など多くの問題を含んでいる事業でもある。それは公共事業として、国や地方自治体の税金から支出されている。それが公共事業として本当に公共に役立つことなら、住民も市民もそれに同意するだろう。しかしあち…

続きを読む

ダム建設は慎重であった方がいいだろう

地質調査の仕事をしていると、ダム現場も多い。ダム現場というのは山深い人里離れたところばかりではない。国道沿いに民家や田畑が広がる、人が住むには好適な場所でも、ダム調査が行われる。国道沿いには「ダム建設推進」とかの看板も見かける。詳しいことは知らないが、ダムを建設することで、何かしらの利益にあずかる人々だろう。だが、実際多くの人にとって、ダム建設は推進するようなものではないと思う。  私が見…

続きを読む

昨日で愛媛県の出張は終了しました

昨日で愛媛県のダム現場の出張は終了した。まだ、ボーリング作業は続いているが、本数が少なくなったので、人手が余ってきて、私が不要になったいう具合だ。半年間の出張で、大きなトラブルもミスもなかったが、かと言って仕事への満足感はない。私のような非正規社員の無資格者は、国の仕事へは直接参加できず、雑用が主体となる。雑用だから、それほどの責任もなく、精神的な負担も少ないが、仕事のやりがいがなくて、…

続きを読む

”ダムはいらない”、と試しに言ってみる

今日も暑い日でしたね。ずーと出張続きで、かと言って大事な仕事をしているわけでもなく、1日のらりくらりと過ごしています。ダムの堰き止め湖は、相も変わらず深い緑色の水をたたえ、山の緑よりさらに風景全体を緑色に包みます。元は深い渓谷だったらしきところまで、ダムの水は押し寄せ、平坦な湖面に変えています。ダム湖の上流の河川も、流れは緩やかで、とても清流とは言えない様相です。何か水に透明感がないのです。山…

続きを読む

大学生の卒論テーマに”ダム建設の光と影”はどうだろうか?

今の大学生がどういう生活を送っているのか良く知らないが、せっかくの余裕のある時間を有意義に送って欲しい。たとえば、社会学部の学生ならこういう卒論のテーマはどうだろうか。”ダム建設の光と影” ダムを作るには膨大なお金と時間と人がいる。まずダムを作る検証からはじめて欲しい。なぜ、ダムが必要なのか。ダムがなければ洪水が本当に起こるのか。ダム以外の方法はないのか。そして重要なのは、ダムを作ること…

続きを読む

ダムの光と影

私が働いている現場に、沈下橋と呼ばれている橋がある。本当の名称は別にあるのだろうけど、貯水量が少なくなると顔を出すのだ。その橋のそばに近寄って、写真を撮影してきた。 ダムができるまでは住民が普通に利用していた橋のようで、ダムが出来て水中に沈んでしまったようだ。その橋のそばで、高校生かもう少し年上の若者が釣りをしていた。私もすぐそばまで行ったが、少し危なくて歩くのを止めてしまっ…

続きを読む

ダムの近辺に暮らす人々の生活

“コンクリートから人へ“は民主党のキャッチフレーズだったかもしれないが、ダムができたあとの人の暮らしはどう変わるのだろう。僕は仕事で、10日ほど前からダムのある工事現場に来ている。ダム湖は山峡に細長く続き、濃い緑色を呈し、とても綺麗だ。でも、旅館の女将の話では、夏は蚊が多いし、匂いが臭くて、窓を開けれない、という。  それもその筈だ。ダムは水を貯水しているため、動きがない。そのため、蚊が発…

続きを読む