御嶽山の噴火と気象庁の責任

御嶽山の噴火で47名の死亡が確認されたが、それ以外にもいろいろな情報から10数名の安否不明者がいる可能性があると新聞で報じられている。戦後最悪の火山噴火での犠牲者らしい。

火山噴火の兆候や危険性を把握し、国民に知らせる担当役所は気象庁だ。ネットで調べると、気象庁は国土交通省の外局で、その中に火山課があって、その課が火山噴火の予報や警報活動などを行っている。気象庁の職員はウィキペディアによると、5400人ほどで全て国家公務員で、国交省の人員6万人のうち約9%程を占めている。予算は588億円(2012年度)。国交省の予算4兆6000億円のうちの1.3%ほどらしい。

一方、火山噴火予知連絡会は気象庁を事務局として、大学の先生など、火山・地震・地質の研究者などが主なメンバーで年3回ほど会合し、火山現象についての総合的判断を行うこと等を目的としているらしい(気象庁のホームページより)。

この連絡会が9月29日の御嶽山の噴火を受けて開催され、予知会としての見解が発表されている。その一部を抽出すると、

「・・・
御嶽山では、1979年に有史後初めての噴火が発生し、1991年、2007年にもごく小規模な噴火が発生しました。それ以降、火山活動は概ね静穏に経過してきましたが、今年9月10日から11日にかけて剣ヶ峰山頂付近を震源とする火山性地震が一時的に増加し、14日以降は低周波地震が時折発生しました。火山性地震は次第に減少していました。地殻変動や山頂部の噴気活動には、特段の変化はみられていませんでした。今回の噴火前の変化は、ごく小規模な噴火が発生した2007年の状況に比べても小さいものでした。
・・・」

この見解からは、9月11日ころから火山性地震が増加したこと、そして2007年の状況に比べて小さいものでした、と述べられている。
研究者としてはそうなのかもしれない。でも、警報や予報を判断する側の気象庁は、それが噴火するかどうかわからないものの、一方で有史以来、つい最近(1979年)噴火を始めた火山に対して、監督官庁としてもっと注意する必要があったのでは、という疑問が沸いてくる。2007年というのは火山の噴火では、つい最近だ。つい最近噴火したところで、火山性地震が増加したというのは、何かが起きる前兆だと、誰もが思うだろう。そうした中で、9月10日以降、早急に連絡会議を開くなりして、この前兆を議論しても良かったのではないのだろうか。あるいは、庁内で議論して、警報レベルを2に上げて、火口内近くへの立ち入りを制限してもよかったのではないだろうか。

これは結果論であるけれど、前兆は予知できませんで終わらせるには、あまりに犠牲者が多すぎるだろう、と思う。

国土交通省は巨大な官庁だ。これだけの巨額の費用を惜しみなく公共事業としてつぎ込んでいるのに、広島の土砂災害など多くの人の命が犠牲になっている。火山の噴火は、各大学の先生が個々の火山を研究し、それをネットワーク的に繋げたのが、火山噴火予知連絡会かも知れない。今後は火山噴火の予知が難しいと言うなら、少しの変化でも見逃さずに、国民にその情報を知らせるシステムの構築が必要だろう。

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