「非国民」から「反日」へ。「その後」の日本の言論状況。

「表現の不自由展・その後」が中止になったという。大阪にいてほとんど話題に上がっていなくて、こういう企画展があったなんて知らなかった。もし早く知っていたなら、必ず見に行っていたのだが。それにしても、なんと面白い企画なのだろう。これまで、公共の施設で作品が撤去されたものばかり集めて、それを表現の不自由展と表現し、その後を展覧会として開催するなんて、私など思いもよらない素晴らしい発想だ。

 もし開催されるなら、近鉄特急にでも乗って、来週にはいってみたいという欲求が高まるだろう。もう一度、中止を思い直して開催してくれれば、こんなうれしいことはない。

 中止に追い込まれたのは、電話による抗議が殺到して、県の職員が忙殺されて対応しきれないという事情が第一のようだ。それと河村名古屋市長が罵倒したことも大きいのではないか。朝日新聞によれば、河村名古屋市長は「日本国民の心を踏みにじる行為で、行政の立場を越えた展示」と主張し、「主催は名古屋市であり、愛知県。国のお金も入っているのに、国の主張と明らかに違う」と述べたらしい。

 でもおかしいね。「表現の不自由展、その後」という題名からして、通常の日本的な常識とは違う展覧会であるのは、わかっているのじゃないの。国の主張と違うって、芸術というのは個人的な思いから創造しているのもので、国の主張に合わせて作った芸術作品って、ほとんど感動を起こさないよ。それなら忖度作品だよ。忖度は高級官僚だけで十分だよ。河村市長って芸術や文学って読んだことがあるの。国の方針に合わせた芸術や文学なんて誰も関心を持たいないよ。

 日本は今、すぐに「反日」という言葉が出てきている。戦前は戦争に反対する人たちに向かって「非国民」と罵倒した。それと同じ状況が生まれつつあるのだな、と思う。

 自治体が無理なら、民間や野党が結集して、企画展を開いてほしいなと思う。そうしたらどうだろう。多分、同じ反対者がわんさか電話かけてくるのかな。あるいは街宣車が出てきて、「反日」とがなり散らすのかな。枝野立憲民主党党首でも全面的に出てこないと、落ち着いて開けないのかな。それでももう無理なのかな。「その後」はここまでひどくなっているという証明なのだろう。

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