正しさを判断する、精神の揺らぎも見え始めている

この前、朝日デジタル新聞のオピニオンのページで経団連の榊原会長のインタビュー記事が載っていた。この人の記事を読んで印象に残ったのは、今の日本経済が危機的状況である、という認識を強く持っていることだ。日本の経済状況をとても厳しくみており、このままでは日本は消滅しかねないと言っている。こうした認識は、多くの人に共通するものだろうと思う。

 今、私はインドネシアにいるが、インドネシアでも日本の経済的、社会的、文化的な地位低下は著しいと思う。今、インドネシアは韓国経済が主導しつつあるといえるだろう。というのは、電化製品やスマホなどがほとんどがサムスンやLG電子なのだ。それ以外でも、現代(ヒュンダイ)が発電事業や自動車、エレベータ、そしてロッテが大規模店舗を展開している。バンドンのホテルのテレビはどこに行ってもLG電子だ。テレビをつけると、韓国の映画や歌、ドラマなどが映し出される。日本語放送は、どこのホテルにもない。インドネシアの人々は、韓国の人々を見、言葉に触れることができても、日本語も日本人に触れることはできない。これが現実なのだ。

ところで、榊原会長はどういうことをしゃべっているか、朝日新聞デジタル版より一部抽出した。

 ――いまの日本の社会や経済の現状を、どうみていますか。

 「問題を放置して安住したら、大変な道を歩む危機的な状況です。次の世代に、こういう社会を引き継いではなりません。会長就任以降の私は、すべてその認識に基づいて行動してきました」

 ――強烈な危機感ですね。

 「日本のGDP(国内総生産)は1993年からの20年間で、増えるどころか減りました。米国は2・4倍、中国は16倍にも増えたのに。世界シェアでは日本は90年の13・8%から2013年は6・6%に落ち、国際社会における経済的プレゼンスは半減しました」

「人口も減り始めて、2060年には9千万人を割り、国を支える生産年齢人口はいまの6割から5割に減るでしょう。一方、年間の社会保障給付はすでに100兆円の大台を超え、国の予算を上回ります。放っておくと25年度には150兆円ほどにもなる。しかも高齢者向けは大幅に増え、子どもや働き世帯へはほとんど増えていない。医療費は40兆円を超え、国と地方合わせた長期債務残高は、GDPの2倍超です。これほど債務を抱えている先進国はありません。この流れを変えないと、日本はまさに消滅してしまいます」

 経団連会長がこれほどの危機感を持っているのに、安倍首相の言動を見ていると、アベノミクスの成果を誇り、日本が裕福になり、GDPがあたかも増えて成長を続けているかのような言動が目立つ。アベノミクスは成功して、その成果が国民の皆さんを潤しますとか、成果を得られますとか、甘い言葉ばかりのべ、その一方で、野党時代より、良くなったとか、すぐに相手を非難する。話を聞いていると、これが一国の総理大臣の言葉かと耳を疑うような言動を平気でしゃべる。

 そして気がかりなのが、そうした首相の下で日本国民が徐々に正気を抜かれたように、物事の正しさを見抜く力が衰え、何が正しくて何が正しくないか、価値基準に揺らぎが出始めて、正しさへの自信を失いつつあるということだろう。はっきり言えることは、正しさを判断する能力が衰え、人の判断をそのまま無批判に受け入れることに、ためらいがなくなりつつあるということだ。思考力の衰えが顕著になりつつあるのだろう。そのため、何かを見る目、構想力、企画力、推進力、発想力に欠如が見られ、それが国際社会の進展を感じ取ることが出来なくなっているのかもしれない。

 中国人の”爆買い”がなぜ起きていたのか、中国の庶民の購買力、生活ぶりなど知る由もなく、ただ、”爆買い”で日本は潤う、で終わっている、日本人の世界事情を見る手立てのなさ、疎さが、経済力の低迷へとつながっていると思う。

 インドネシアの第3の都市、バンドンはすごい。日本の第2の都市・大阪で生まれ育った私には、バンドンは大阪の2・3倍にも活気に満ち溢れた商業都市であると思う。ホテルの充実度は大阪の数倍の品質・数・価格だろう。日本人はいつの間にか、井の中の蛙になって、中国や韓国の非難ばかりに終始している。日本人の精神の退潮も進んでいるのだろう。芸能か、下ネタか、人の噂話か、韓国や中国の非難ばかり。精神の高揚をもたらす、前向き、将来への明るい話は無いのだろうか。

 榊原会長ではないが、私もこのままでは、日本が消滅していくのではと感じる。(インドネシア、バンドンにて)

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