IBMでの解雇訴訟-活躍でない社員も、働く権利

今日の朝日新聞によれば、東京地方裁判所は、IBM社員5人が「業績不良」を理由に解雇されたことを無効とした判決を言い渡した。訴えていた5人は、社内の5段階評価で低い方の2つの評価に入っており、それは社員の5~15%にあたり、業績不良とされた。判決では、原告らが一定の業績不良や問題行動があったと認める一方、長期間雇用され、配置転換された経験があり、比較的高い評価だった時期もあり、そうしたことから解雇は無効だと結論付けた。また、IBMが根拠とした評価方式について「あくまで相対評価で、低評価が続いても、解雇に足る業績不良と認められるわけではない」とした。

 IBMではこれまで50人位の社員が業績不良で、突然解雇を言い渡されているという。解雇を言い渡す際、次のよな書面を読み上げ、その日をもって出社禁止にしたという。

 「貴殿を解雇する。業績が低い状態が続いており、様々な改善機会を提供したが改善はなされず、もはや放っておくことはできない」

 今回の判決では、訴えていた社員に業績不良があるのは確からしいが、それでだけでは、解雇できないということだ。それは「解雇権の濫用に当たる」としている。そして、解雇後の賃金の支払いも命じている。

 安倍首相が言う「活躍」という言葉の陰で、活躍していない人は多くいるし、逆に「活躍」している人はそう多くない。企業で社会であるいは学校で「活躍」を推進すれば、そうでない人はますます生きづらくなる。この裁判は、「活躍」だけでない、業績不良の人々が、それをレッテルにして排除される企業システムが、社会的に当然ではなく、人間社会として、それは行き過ぎであるという考えを示したものだろう。

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