長時間労働の改善を表明した安倍首相

今の日本の問題点は、少子高齢化や財政の借金が1000兆円を超える状態にもかかわらず、依然とその改善の見通しが立っていないことだろう。安倍政権のアベノミクスというのは、結局金融緩和によるデフレーションの脱却、つまり物価や株価の上昇、それと連動する形での企業業績の上昇、賃金への波及、ということなのだろう。

 しかし、現実には賃金は上がらず、消費支出の上昇は見込めず、来年の消費税10%上げは不透明となり、名目GDP600兆円は夢のまた夢、介護離職ゼロや希望出生率1.8さえ、なんとことやらわからずになってきた。

 そうした中で、安倍首相は、3月25日の「一億総活躍社会」の国民会議で、残業時間が青天井になっている現状から「長時間労働は少子化の原因や女性の活躍を拒む要因になっている」と指摘し、「(残業時間の上限を労使で定める)36協定における時間外労働規制の在り方について再検討を行う」と表明した。

 36協定というのは、労働基準法32条において「一日の労働時間は8時間、週40時間以上労働させてはならない」と定められているものの、36条にその例外規定が設けられ、労働者と使用者が協定を結べば、時間外労働は週15時間、月45時間まで認められており、さらに特別な理由があれば、延長できるというもの。つまり、法律上、残業時間はいくらでも伸ばせるのが、日本の労働環境なのだ。

 これは残業時間についてだが、通常の労働時間でさえ、協定により、1か月の労働の総時間が、週平均に直して40時間を超えなければ、日祝の労働も問題ないとか、また、1日の労働時間が8時間を超えても週や月に直せば時間外でないとか、の条文をつくった。このため、32条の1日8時間労働や週40時間労働の規定さえ、ほとんど意味を失い、それに輪をかけて時間外労働さえ使用者の言うままなのが現実だろう。

 労働基準法が労働者の権利を守るどころか、使用者の都合のいいように書き換えられてしまって、労働者の労働時間に歯止めがかからなくなっている。そうしたことが非正規社員を増大させたり、女性がパートへ流れていく傾向を助長しているのも確かだろう。

 安倍首相がこうした労働基準法があまりに企業寄りになって、労働者を少しも守っていない現状を認識し、女性の活躍の足を引っ張ていると考えるなら、それはそれなりに意味あることだ。労働基準法を改正して、企業寄りから、労働者の人権を守る法律へ転換することを願う。それが、全ての人が生き生き暮らせるもとになるのだから(こうしたことは活躍より前のことだ)。時間外労働を減らし、32条を順守する方向へ社会を導くくことが、憲法を改正することに血眼になるより、よっぼど日本の活力や家庭の再生につながることだと思う。

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