宇治の里山で考えたこと(写真9枚)

 去年の集中豪雨以後、宇治の里山に何度も足を運んでいる。宇治に来るたび、そして表層崩壊を見るたび、色々考えさせられる。それは表層崩壊が起こる原因だったり、あるいはその崩壊がもたらす水害や災害であったり、あるいは林業のことだったり、失業者のことだったりする。

 宇治の山に来て感じるのは、大阪に見られる生駒山や金剛山のような緩い勾配でなく、その険しさだ。今日も10mか20mの斜面に登ろうとしたが、傾斜が50度以上あり、道路面が切り土になっているため、すべった時、滑り台のように止まらなくて、そのまま道路まで滑り落ちそうなので、怖くて登れなかった。そして、礫や露出した岩盤が多く、転石になる可能性が高く、道路上危険な地域であった。下の写真は、集中豪雨により路肩が崩壊し、電柱が川床に落ちている様子を写している。
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たまたま、その近くを歩いていたら、山の上からこぶし大の落石があった。さらに驚くことに、路肩の崩壊部では、モルタルの上で、表層崩壊を起こしているのだ。多分、路肩の崩壊は、上からの表層崩壊が原因では、と思った。それをそのままにしているのだから、とても恐ろしい。これでは継続して落石や土砂が崩れ落ちているはずだ。大雨が降れば、それは拡大する。地形にもよるが、一度表層が起これば、そのえぐれたころが必ず拡大する。それは表土や植林の重さと、岩盤との摩擦力とのバランスがつりあうまで拡大する。自然は全て論理性の上に成り立っている。すべるには理屈があり、落石にはその原理がある。だから、原理原則に則れば、大雨や豪雨の時、この道路を通れば、雨の量や土砂のバランスによるだろうが、石が落ち、土砂が流れ、最悪には、杉の木も一緒に滑り落ちて、人や車ごと川へ押し流す可能性のあるところだ。だから、このすべり面を補修するまでは、大雨の日にはここを通らない方がいい。
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次に、林業・雇用についてはこういうことを考えた。
役所が5年契約で、林業従事者を5~10名程度雇う。日給1万円程度で月20万円ぐらいを保障する。その人たちを、林業組合の人が指導して、宇治市の山林の杉などの伐採に従事する。5年ぐらい経てば、それなりに仕事が出来るだろう。2年や3年では、雇用不安になる。今の緊急雇用対策事業は、3ヶ月から半年だ。こんな短い期間では、雇用されても意味がない。やはり5年は必要だ。5年後、その人たちは、林業組合や、林業関係の会社で働く。そうすれば、林業が発達し、雇用も改善される。5年間は、伐採料などでも賃金不足の場合は、役所が賃金を保証する。

下の写真は、谷筋の中の大きく成長した杉(ヒノキかも)だ。しかし、谷に挟まれ削剥されているので、あと4、5年もしないうちに倒れるだろう。そうすれば、1本何十万円もする杉の木が無駄になる。宇治市には今にも倒れそうな大木が多い。それをなくすにも、林業従事者を増やして、木を切ることが緊急のこととして求められている。それは、昨年の災害要因が、水で流されてきた倒木が橋や水路の出口や入り口に引っかかり、水害を大きくしたからだ。災害をなくし、林業を盛んにし、雇用を増やす。こうした長期的な、総合的な視点が必要だと思う。
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最後に表層崩壊の原因について
それは、岩盤の上の表土が、樹木の荷重が増えてバランスをなくして、すべるのだ(下の写真)。これも、見たところ杉を植えすぎているのだ。それは小さい時は密に飢えて問題はないのだろうけど、大きく成長すると、その荷重は想像以上なのだろう。だから、大きく成長した木は、伐採しなければならない。だのに、そのまま。それと、崩壊するところは、崩壊上部にガリと言う水の道があるところが多い。地質的には、粘板岩や頁岩などの泥質岩が多く、又レンズ上に巨大な砂岩やチャートを挟んでいる。これはいわゆる付加体の地質で、大陸からの砂岩と太洋の頁岩やチャートが交じり合って地層を形成している。そのため、チャートは礫としてあるいは岩盤として残り、頁岩は風化して粘性土になりやすい。
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すべることにより、植林された木がたくさん倒れていました
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すべり面上の杉の木(そう遠くないうちに、この上の木も倒れるでしょう)
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崩壊上部で、水の道らしきものがありました(ガリ)


以上好き勝手なことを書きました。最後まで読んでくださってありがとうございます。

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