今を、精一杯生きる

アクセスカウンタ

zoom RSS 冬空の中でのボーリング作業

<<   作成日時 : 2018/01/10 11:35   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

大阪でも冬空が続いているが、福井県や富山県など北陸地方なら、どれほど寒くて厳しいかと想像する。去年は12月末まで北陸の山の現場でボーリング作業をしていた。だから今年に入ってのさらなる冬の寒波で、どれほど現場が困難を極めているか、と思う。

 まず、宿から現場へ行く道筋から困難が始まる。雪が積もればスリップの危険がある。国道沿いは除雪されるが、そうでないところは雪道の上を車を走らせる。慣れている人なら問題なく走らせようが、慣れない身では怖い時間となる。現場につくと、晴れていればいいが、雪が降っていれば、作業着に着替えるのさえ、濡れながらになる。とてもうっとうしい時間だ。朝礼が終われば、即、作業が始まる。ボーリング現場は朝礼が開かれる平坦地ではなく山の中が普通だ。そのため、再び車を走らせ、林道や町道を走ることになる。ここはほとんど除雪されないから、雪が少なければ、そのまま車を走らせるが、雪が多ければ適当な場所に車を止め、そこから雪をかき分けながら徒歩で進む。それはラッセル作業だ。その間、手荷物がなければいいが、普通、ガソリンやコア箱を携えたりするから、これも大変な作業だ。

 そして現場に到着すれば、今度はモノレールが待っている。モノレールは資材運搬に利用するが、急斜面なため、人も乗る。ただ、雪が深いとモノレールさえも雪に埋もれて、モノレールを動かすための雪かきが必要となる。急斜面を雪かきしながら登るのはまた大変な作業だ。これで天候が吹雪いていればどなるのだろう。それはよくわからない。

 やっと、ボーリング作業現場に着くと、そこは雪と氷の世界だ。足場の上に積もった雪や氷をかきだす。足場に立てた三脚の周りにはビニールシートが巻き付けられ、雪や風を防ぐがそれでも隙間から雪が入り、足場上は凍ってしまう。そのあとからやっと作業の準備だ。水を使うので、ホースが凍っていないか確認しながら、また、凍った配管などを溶かしながら、ポンプと配管を接続する。もしホース類が凍って水が流れなければ、それで作業は中止だ。運よく水が通っていれば、掘削作業の準備を行う。コアチューブに試料を入れるスリーブを入れ、それを孔内に入れる。コアチューブは重く手が滑って、落としてはいけない。それからロッドをつないでいく。
ロッドは1本3mでその重さは13キロぐらいある。普通40〜50m掘るので、10本から20本近く、それを手で1本1本、上からつないでいく。そのため、ロッド全体の重さは130〜260キログラムになる。それを支える道具がホルダーと呼ばれるものだ。このホルダーにはそれだけの重さが加わっている。ボーリング作業ではこのホルダーを開けたり閉めたりしながら、ロッドを継ぎたしていくので、重要な作業だ。もしこの締め方が緩いと、重さ100キロ以上あるものが、一瞬にして孔内へ落下する。ボーリングで使用する道具・機器類はすべて鋼鉄製で重たくかたい。それを常に上げ下げし、またロッドが回転して穴を掘るので、少しの油断で、指を切断したり、ロッドやエンジンの回転部に巻き込まれ重大事故につながる。

 去年12月29日の社長訓示は今年は大きな事故が珍しくなかったですね、という話だった。それだけ、ボーリング作業は事故が多い。

 ロッドを下ろし、掘削作業にに入ると、一息つける。ただ機長は岩盤の状況や機械の動きを常に見ていなければならないので、ここからが本番といえる。一方、助手のほうは次の作業準備や周囲の片づけとなる。でも、ボーリング作業は機長の権限が強く、子弟関係だから助手は休んでいられない。常に機長からの指示であれやこれやと動き回る。この二人だけの関係が息苦しくて、助手が続かない原因ともいえる。

 1時間か1時間半ぐらいで、掘削作業が終わり、今度はボーリングのロッドを引き上げる作業だ。この作業も危険だ。ロッドとロッドが強く締まり、切れない。そのため、全力を込めてパイレンという道具を使って切る。この時、力を入れすぎるあまり、指をほかの機械類に挟んで打撲することが多い。また、ホルダーからロッドが滑り落ちてけがをする場合もあるらしい。
 
 私の場合、スピンドルという機械にロッドを締め付ける作業をしていたら、スピンドルを動かす油圧ホースがいきなり破れ、スピンドルが落下してきた。すぐ手を離したから大事に至らなかったが、もしスピンドルの下に手をいれてロッドを切る最中なら、逃げる時間がなかったかもしれない。それだとスピンドルとホルダーの間に手が挟まれ手が粉々になっていた可能性がある。ボーリング作業は何が起きるかわからない作業だ。

 コアチューブを引き上げ、そこにコアが入っているのを確認するときが最もうれしい時の一つかもしれない。コアチューブそのものも重たく、指詰めに注意しなければならない。常に重量物との戦いなのだ。

 そのあと、ボーリング作業ではケーシング挿入というこれまた、大変な作業がある。これは孔内からの岩盤の崩落を防ぎ、コアチューブのジャーミングという、石でチューブが動かなくなる事故を防ぐために行う重要な作業だ。これまではφ86oの径のケーシングを使っていたが、高品質を売り物にチューブの径が大きくなったのに合わせ、けーシングも大きくなった。そのため、この作業に使うケーシングも重たくなり、作業そのものが重労働になってきている。

 こうしてみてくると、1本のロッド、1本のケーシングを運ぶのさえ、重労働なのに、今のように雪が降りしきり、積もっていればどのように作業を行っているのだろうか。今週は作業は中止かな。でも、会社としては作業は中止しないだろうな。猛烈な吹雪の中で、どのように作業を行おうとしてるのか、想像できない。

私としては、体力的に限界だ。大阪の自宅にいて、冬の北陸の天候を想像していると、会社を辞めざるを得ないという結論も間違いではないと思える。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
冬空の中でのボーリング作業 今を、精一杯生きる/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる